1933老場坊:静まり返った屠畜場
上海の1933年築の屠畜場。今は誰もいないスロープと橋と階段のコンクリートの迷宮を、ハイコントラストのモノクロで撮った。

1933老場坊(1933 Old Millfun)を初めて見たのはInstagramの一連の写真で、上海での10日間のあいだに実際に見に行った。
少しだけ歴史を
この建物は1933年に上海の市営屠畜場として、虹口区に完成した。その形はかつての役目に従っている。四角い外側の建物が円形の中央ホールを包み込み、両者は橋で結ばれ、牛が上の階へ歩いて上るためのスロープがフロアのあいだを曲がりくねっている。今はクリエイティブ系・商業系の複合施設だが、コンクリートはすべてそのまま残っている。
がらんとして静まり返る
中はがらんとして、静まり返っていた。人混みも物音もなく、ただコンクリートのフロアが次々と続く。何層にも重なる空っぽの迷宮のようで、本当に特別だった。
サーカス
中心には円形のホールがあり、私はそれをサーカスと呼んでいる。下から見たサーカス・見上げでは、曲線を描く橋とスロープが1階の上を曲がりくねっている。中ほどの高さでは、それらが闇の中に浮かび、上下に積み重なっている。上から見たサーカス・俯瞰では、全体が層また層と落ちていく。
そのまわりの廊下は暗い。マッシュルーム柱が、光の差す窓がわずかにあるだけの暗いギャラリーに沿って繰り返される。アーチ状の廊下の突き当たりに人影がひとつ立ち、光は向こう側からしか来ない。細い開口部の向こうに、闇に消える階段:ピンホールから見た階段。そして混沌とした梁では、階段と梁があらゆる方向に一度に交差している。
なぜモノクロなのか
両方のやり方で撮った。このアルバムはすべてハイコントラストのモノクロだ。建築とモノクロとハイコントラストを組み合わせることが、私には本当に面白いからだ。カラー版では、色を灯りにだけ残している。
撮影メモ
すべてX-T5と25mmで撮影し、ほぼいつも開放のf/1.7かf/2、1/125秒から1/500秒、ISO 125から200。唯一の例外は誰もいない廊下で、ISO 1600だ。
アルバム1933老場坊
実用的なヒント
- 場所は虹口区、外灘の北だ。
- 各フロアでじっくり時間をかけること。サーカスは下から、中ほどから、上からで見え方が違う。
- 暗さを覚悟すること。光はほとんど入らないので、明るいレンズが役に立つ。